気がついたらナータさんは尻餅ついて座り込んでしまった。
「ナータさん!!」
慌てて駆け寄ろうとするも
「行っちゃだめ士郎!!」
遠坂に行く手を阻まれた。
「私たちが行っても・・・死に行くだけだわ」
だけど、
だけど、
だけど

・・・

なんだ

シ・・・ウ





バシュン

あの光景がフラッシュバックする。
初めてセイバーとあった日。
バーサーカーと戦って、彼女は・・・!

う・・・





鉄を砕いた臭い

白から滲み出た死の色

うわああああああああああああああ!!!!

瞬間、目の前が光り輝いた。

四話

-frapper-


偶然といえば偶然だ。
確かにあのとき覚悟した。
英霊を召還し、聖杯戦争のマスターの一角となることを。
膨大な魔力を消費し異空間と現代の接点である空間をこじ開ける。
グリーン一族の召還術は確実だが今回ばかりは訳が違う。
英霊クラスの召還術となるとさすがに最低限の召還陣が必要だし。
ましてや私一人の魔力でどうなるかも分からない。
要するに、━━当てずっぽうに近い。
・・・我ながらすげぇよ。
召還ってものは喚ぶ対象の知識がなければ成功はしない。
しかし低級悪魔とかになるとつかみ取りの要領でやってしまうのだが、━━今回がそのケースだ。
前回の聖杯戦争で士郎くんがセイバーを呼び出した際パスが繋がっていなかったが、今回その心配はなかった。
これでも私の召還術だし。
それなりに丁寧だったし。
だからこれはその加護だったのか、代償だったのか分からない。

「・・・問おう。貴方が私のマスターか」

全く、可哀想な娘だなあ。
当てずっぽうだとはいえ、こう偶然も重なると誰かが後ろで操作してるようにしか思えない。
でも呼び出しちゃった以上従ってもらうし、召還には成功してるから

「ええ、お願い」

期待と謝罪を込めてささやいた。



魔力の爆発、が一番近い表現だろうか。
俺の何十倍分の魔力が辺り一面に広がったのだから。
それまで覚えていたのはナータさんの首が光ったこと。
タトゥーのような魔術刻印。
長い髪の壁を介しても見えるその模様。
そして右手に集まった魔力。

ザザッ・・・

影響を受けたのか頭の中にノイズが入る。
意識が黒い空間に堕とされる。
真っ黒。
意識の中の部屋の広さは無限。
だから限りない闇。
その中に俺しかいないと思ったら、先客がいた。

キモチガワルイ

誰だ?

コワイ

何だ?

コレイジョウハ、マチガイ

何を言っている?

モドレナイ、ツミ

何が、おきる?

士郎伏せて!
「・・・え」
遠坂に意識を戻される。
同時に衝撃がナータさんを中心に膨れあがった。

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